パワーウインドウスイッチ

NAロードスターの不具合としてよく挙げられるのがパワーウインドウの不調のようです。
これはドア内部の故障も多いようですが、スイッチに問題があるケースも多いようです。
写真のスイッチはコンソール一式の中古品として入手したものに付いていたものです。
車に装着して試してみたところ、助手席側の窓の操作が出来ず、残念ながら故障したスイッチだったようです。


 

コンソールのおまけで付いてきたスイッチですし、よい機会ですから一度内部を確認しておくことにします。
あわよくば修理して非常用スイッチとして車に積んでおこうかと思っています。
でも冷静に考えれば、パワーWスイッチは現在メーカーから供給されていますしアッセンブリで交換した方が手っ取り早いし信頼性もあります。
社外品のスイッチも沢山ありますから、弄る事が好きな方じゃないとこんな事はやめた方が良いでしょう。


 

私は分解好きなので続けます。
このスイッチは年数の経過した樹脂ですし、はめ込み部分から割れてしまわないか注意をしながら外します。


 

このあたりまではうまくパーツを外すことが出来たのですが。


 

このスイッチ部分のカバーを外す際にやってしまいました。


 

 

スイッチのパーツ。薄いし劣化もあるのでしょう。はめ込みを外そうとドライバーを使って広げてみたら左右とも割れてしまいました。他の方のレポート見てもここは良く割れるそうです。


 

割ってしまったものは仕方ないので後で処理することにして、さらに内部の構造を確認しておきます。


 

スポンジのような素材。防水パッキンでしょうか。
それとも緩衝材でしょうか。


 

スイッチ内部も確認していきます。
ここは精密ドライバーをすき間に入れ、割ってしまった表側カバーより慎重に作業し外していきました。
でもこの部分の素材は割れにくいのでしょうか?以外にあっさりと外れてくれました。
ここまで外すと接点部分が確認できます。接点部分は結構汚れています。(黒い部分が汚れ)


 

こちらが窓の上下の出来なかった助手席側スイッチ内部。2本ある樹脂のピンがすり減っているのが確認できます。
1本は溶けてしまったような感じです。この樹脂のピンで金属の接点部分を押しているようです。


 

取り出した樹脂のピン。左右でこんなに長さが違います。
これではスイッチもうまく動作しないはずです。


 

更にこちらはすり減った樹脂のピンの残骸と思われるもの。
スイッチ内部で熱が発生して溶けてしまったのでしょうか?


 

反対側(運転席側のスイッチ)の内部も確認しておきます。


 

運転席側のスイッチ内部は助手席と違い、1本の樹脂ピンで接点を押すようになっています。
運転席と助手席ではスイッチのパーツが違うようです。(運転席にオート昇降があるタイプだからそうなのでしょう)


 

運転席スイッチの内部ピンは形もしっかり、長さもきちんとあるようです。ピンの奥にはこのようなスプリングが入っています。
スプリングで樹脂のピンのテンションを調整しています。
スプリングは小さく、色も黒いので取り出す際は紛失に注意することが必要です。


 

小さなスプリングはこのようにセットされている


 

運転席、助手席のスイッチを比較。
他の方のブログ等を読んでみたら、同じように助手席側で樹脂のピンの劣化によりスイッチ不調になっているケースがありました。
助手席側に良く起きやすい症状なのでしょうか。


 

どうやら今回のスイッチの不調の原因はピンが短くなってしまう事のようなので、すり減ったパーツさえ交換すれば機能が回復できそうです。
そこで一般の3Dプリンターサービスを利用してこのパーツを製作してみました。
念のため3本一組で設計して作ったのがこちらです。


 

到着までは数日かかりましたが届いたピンを組み込んでみるとサイズも合っていて一安心。
この新しいピンを入れてスイッチを組み、動作を試してみたところスイッチの不調は見事に改善されていました。
機能的には改善されましたが表側のカバーが割れてしまったのでポン付け予備としてはまだ役不足です。そこをどうするかの問題は残ったままです。


 

 

とりあえずオリジナルのスイッチカバーをプラリペアを使い補修できないかと試してみたのですが、構造(かなり薄く作られている)の問題で強度的に無理でした。


 

そこで後日スイッチ部分を3Dプリンターサービスの比較的安価にできるナイロンでプリントしてみました。モデリングが下手なので見栄えはしませんが、強度的には問題が無かったようでスイッチは問題なく作動します!
これでしたら万一スイッチが故障した際の予備スイッチとして持ち歩く分には問題ないでしょう。


 

 

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