クラッチミートポイントの調整

 メンテナンス実施 2020年3月

今回はクラッチミートポイントの調整です。この車のクラッチのポイントは自分の好みの部分からするとかなり手前であり、納車時から運転がしにくいと感じていました。クラッチを踏んで、ちょっと上げたという感じの位置で繋がるよう調整を行います。
ネットで検索してみると、今の私の状況と同じような事になってしまっている人は多いのか、調整方法をブログ等に上げている方は多く、参考になる情報はたくさんありました。やはりロードスターでクラッチのミートポイントは重要ですから気にする方が多いのでしょう。



 

そしてクラッチ調整で皆さんの話で共通しているのは運転席下に潜っての作業は非常に狭く苦しい事。私も他の車で同じ作業を行ったことはありますが、この車は特にスペースが狭そうに見えます。できればシートやステアリングは外した方が楽に作業ができるといった情報が多いようでしたのでシートを外して作業することにしました。


 

 


その外した運転席側シート。
シートレールのボルト4本とシートベルト固定用のボルト1本を外すとシートは取り出せます。その際無理してドアから出そうとするとレールの尖った部分で車体を傷つけてしまう恐れもあるので、ホロを開け上から取り出すようにして作業しました。
外したついでにシートの清掃と革用ワックスをかけておきます。普段拭けないところまで手を入れることが出来たのでかなりきれいになりました。
シート下にコネクタ(シートベルト用)が見えますが、シートを取り外す際はここを忘れずに外しておきます。この車に装着は無いのですが、他にもシートスピーカーのコネクタが付いている車両もあると思うので同じように外しておくと良いと思います。


 

シートベルト用固定ボルト。ここも外しておかないとシートは取り出せない。


 

とにかく運転席下のスペースは狭いので、ステアリングも外した方が楽です。外さなくても作業はできると思いますが、今回は初めて運転席下に潜るという事もあり、邪魔になりそうなものは外して作業を進めます。
でもホーンが鳴らぬようバッテリ―端子を外したり、固く付いているハンドルパッドのマジックテープやホーン端子を外したり、さらには外した時のステアリングの角度を覚えておかなければならない等、ステアリングを外すのも結構面倒です。
仮にもう一回同じ作業をすることになった際は、今回で潜る要領はわかったので次回は外さずに作業をすると思います。




外したステアリングを見ると「MOMO」の刻印がありました。1996年登録の車体に1995年製造のステアリング。


 

 

ステアリングを取り去ると作業スペースはそこそこ取れます。写真ではかなり広く見えますが、これでも実際にひっくり返って運転席下のスペースに潜ってみるとすごく狭いのです。潜り込むのに多少楽になるという程度ですかね。
逆さになって運転席下に入って行く前に、内部を照らすライトと17と12のスパナは最低限必要ですので、手の届く位置にしっかりと置いて入っていきましょう。(潜ると内部のペダル部はかなり近くなるので老眼鏡が必要な方は忘れずに)


 

 

ダッシュ下に潜って撮った写真です。とても狭く厳しい状態で、腕も上げたら降ろせないといった状態でうまく回すことすらできません。記録用の写真を撮るのも大変です。潜った状態ですと各部が近く、老眼も相まってはっきりと見えなかった状態で作業用写真を撮りました。
後から画像を確認してみると幸いな事に各部の状態については結構きれいな事がわかりました。よくボロボロになると言われているストッパーゴムも見た感じはしっかりしています。


 

画像で確認しながら工程を確認します。現在はクラッチペダルを奥まで踏み込んだ状態からかなり上げて来ないと繋がらないという状況です。今回はこれをペダルを床から少し上げたくらいで繋がるように調整したいのです。それにはマスターシリンダーから出ているロッドを少し縮めると良いようです。
手順としては、
①クラッチフォーク固定ナット(確かサイズ12)を緩める
②ロッドが短くなるように回す(今回のケースだと写真の矢印の方向に回す)
③良いと思われるところでロックナットを固定する。
④実際にクラッチペダルを繋いでみてダメなら再調整。

クラッチのミートポイントに関してはこれだけで良いはずです。
ただ調整に際して、ロッドを縮めすぎてミートポイントを短くし過ぎるとクラッチがきちんと切れないためギヤの入りが悪かったり音が出たりすると思いますし、ロッドを長めに調整するとミートポイントが手前側にきて、これもまた運転がしにくくなると思われますからロッドの微妙な調整を何度かすることになると思います。




クラッチのミートポイント調整がうまくいったらペダルの高さ調整もやっておかないといけません。
ペダルの高さはクラッチスイッチ部分を回すことにより調整します。
手順
①コネクタを外す。引っ張ると抜けると思う。(これを抜いておかないとコードがよじれる)
②ロックナットを(確かサイズ17)を緩める。
③クラッチスイッチ本体をグルグル回してちょうどよい高さに合わせる。
④高さを合わせたらロックナットを締めて固定。
⑤コネクタを差し込んで繋ぐ。


 

 

 

尚、マニュアルでの標準的なペダルの高さ調整数値はこちらに収まるよう調整を行うとの事です。
今回 自分の好みに合わせて調整した後測ってみたら、この数値からは少し外れてしまっていました。
しばらく乗ってクラッチの切れ具合などの様子をみて、機能的に良くないところがあれば再調整をしたいと思います。

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