
VRリミテッドは写真の15インチのアルミホイールが標準装備で、私もこれまでこのホイールを装着してきました。スポーツ走行重視の方でしたらこの15インチ+50扁平タイヤは良いのでしょう。でも街乗りドライブメインの私にとって50扁平タイヤは路面の凹凸を拾ってしまい、突き上げられる感じがありあまりよく思えません。
街を走るNAロードスターやブログに登場する車両を見ると車高調整や扁平タイヤが装着された車が多いように見受けられますが、今回私はインチダウンと乗り心地重視タイヤに換えようと準備をしています。この様な乗り方はロードスターでは少数派に分類されるのでしょうか?

乗り心地を改善するため、1800NAロードスターに純正装着された14インチホイールを中古で購入しました。
スピードメーター表示に差が出る事無く乗り心地がマイルドになるのは、195/50R15(現在)→185/60R14 →175/65R14の順であると思われるのですが、他の方のブログなどを見ると「175/65R14」の一番マイルドな仕様でも悪くは無いという事でしたので、その乗り心地を試してみることにします。

今回のホイールはセンターキャップの状態が良くない事とリムに傷があるというものでした。20年以上経過したホイールですから傷は仕方ありませんし、走行には問題が無いようですから簡易的に自分で補修をしてみることにしました。
上の写真はガリ傷にホルツアルミパテを盛って補修の下準備をしているところです。説明書きによると完全硬化には1日おく必要があるとの事。

そしてこちらがホイールに付いていた状態の良くない純正センターキャップ(写真左)です。
まだ補修パーツがメーカーにあるなら交換しようと思い、キャップの新品を探してみたのですがメーカーからの供給は終わっているようです。
中古品も以外に高く、ならばと最近のマツダ車に付く純正ホイールキャップ(写真右)の合いそうなもの(外径52ミリのもの)を試しに入手してみたのが右側です。これがサイズ的にはピッタリ、新しいからきれいですしマツダマークという部分さえ気にしなければ機能的には問題なく使えそうです。

ピッタリとセンターに収まります。年代は違えど同メーカー品だけあり固定の溝は同じようです。ちょっと色は合っていませんけど・・。

でもやはり残念なのはユーノス車両にマツダのマークでは雰囲気が合わない事です。
かと言って今更ユーノスマークの中古品を新たに入手するのも面白くありませんので、マツダキャップを加工して使えないものかと(このキャップはMマークが外れるので)検討してみましたが、マークを外すと楕円形のくぼみがあり加工も面倒そうでしたのでやめました。
もし平だったらカッティングシートでユーノス風にしようかと思ったのですが残念です。

結局使わなかったマツダ(デミオ用?)キャップ。外径や厚みもピッタリ、爪もしっかり噛み合うのですが形状はユーノスの3爪に対し、こちらは4か所(8爪)となっています。
裏側には部品番号の刻印があります。品番は D436-37-190 でしょうか?

マツダマークタイプはセンターキャップとして、色の違い以外は装着するにあたり何ら問題がありませんし、入手も簡単で安いから(数百円で買えた)拘らない方やこれをベースとして加工しようという用途で購入するには良いかもしれません。

マツダキャップは残念でしたが、今回は純正風のマークにしたいので少し手間をかけて作ってみました。右がその「手間をかけた」純正風キャップ。
ユーノスのマークは「十二単の襟もと」をイメージして作られたようですが、たしかに言われてみるとそんな感じです。

メーカーから「ユーノスキャップ」が出るのであればこのようなものをわざわざ作る必要も無いのですが、製造廃止のようですから仕方ありません。パソコンでモデリングして一般の3Dプリントサービスで出力してもらいました。

はめ込み具合をチェック。素材はナイロンでプリントし、色も塗っていない状態です。
良い感じにピッタリ入りました。

裏側です。ホイールの溝にはまるように側面には出っ張りを付け、柔軟性を持たせるため後から切り込みを入れています。
これは「試作1号」でナイロンの強度がわからなかったので爪を一周させて、後からうまく脱着できるよう手で削ろうと考えていたのですが、試してみるとこの程度の切り込みをいれるだけで大丈夫でした。
実際にホイールに入れてみるまでは、大きさや強度、フィット具合がわからず安心できなかったのですが、これでも外れることは無さそうで色さえ塗れば使えそうです。

最初に作った「試作1号」がうまくホイールに装着できたので、純正同様の形状(3爪形状)でモデリングをやり直しもう一つプリントしてみました。

爪もオリジナル通りの形状で作ってみたら、「パチッ」と良い音、良い感触でホイールの溝に入ります。この「試作2号」の方が良い仕上がりのようです。

「試作2号」。これをペイントして装着し、ナイロンプリントの耐熱具合や強度を試します。
今回モデリングに時間を費やし試作した2個のキャップですが、他の2個分はホイールに付いてきたオリジナルが使えそうなので再度プリントすることは無いと思います。でも3Dプリントはデータさえ持っていればいつでもパーツが作れるという事で紛失や破損しても大丈夫という安心感があり良いものです。

ホイール本体ですが、アルミパテが完全硬化してから研いで形を整えました。ペーパーの番手を変え研磨していくのは結構時間がかかりましたが傷は以前ほど目立たなくなりました。
タイヤを外さずに塗る場合、マスキングはタイヤとのすき間に丁寧にしないといけないとの事。タイヤを一周マスキングするのは意外に大変で4本もあるから時間が掛かります。当初マスキングテープは在庫していた(均一ショップで買った安いもの)ものを使ったら劣化していて切りにくく、名の通ったメーカー品を買いなおして作業してみたところ使い勝手が全く違います。マスキングテープひとつにしても良いものを使ったほうが作業は早く進みます。

シリコンオフで脱脂をしてプライマーは使わず直接缶スプレーを吹きます。ソフト99のホイール用シルバーはその使い方で大丈夫との事です。一度に厚く塗ると垂れてくるので、薄く何度も塗るようにしてみたところ思ったよりきれいに塗ることができました。
2缶買って4本のホイールにちょっと余るくらいでした。表面だけ全体的に塗るのであればホイール2本にソフト99を1缶使う感じで足りるののではないでしょうか。缶スプレーは残りが少なくなってくると細かな粒で噴霧されなくなるので、まだ出るけど「ブシュブシュ」と出るようになったら最後までは使わない方が良いかも。

3Dプリントで作った2つのセンターキャップ。これも同じシルバーで塗っています。

最終的にはこんな感じで仕上がりました。クリアも使っていませんし、一度乾いてから何度も重ね塗りをするといった事もしていないので色に深みのようなものは無いかもしれません。

↑補修前 赤矢印のあたりに傷が目立つ。このあたりが目立たなくなればとやってみたのです。

補修後の同じホイール。
補修前後で比較するとわかるように、ソフト99のシルバーは純正の色より明るいシルバーに仕上がるようです。
ガリ傷にアルミパテを盛り足りなかった部分があり、塗装したら少し凹んだように見えるところもあり雑な作業が目立ってしまいました。もう少し手間を掛けてあげればよかったと思いましたが、前よりはかなり奇麗になったので概ね満足です。
あと他の方もブログ等でコメントしていますが、この純正14インチホイール+175/65タイヤは持ってみるとかなり軽く感じます。交換するときに持った純正15インチ+195/50タイヤの1~2割程度軽いのではないでしょうか。

ホイールを装着して走らせてみたのですが乗り心地は間違いなくマイルドになりました。オリジナルタイヤ(50扁平)を付けていた時の感じからするとややフワフワしたした感じですが、ハンドルも軽いし私としてはこのくらいで良いかと思います。
純正ホイールのデザインや車高に関しては好みが分かれるところですが、私は無改造ノーマル車の雰囲気が好きですのでこれで十分です。

ホイールは「ツライチ」からは程遠く、かなり引っ込んだ状態。これでしばらく乗るつもりです。