純正カセットのAUX配線

するとこの様なものを見つけることができたので、早速入手し試してみました。カセット型のSDカード再生機器です。(MP3音楽のみになりますが)
2000円くらいで入手できたので、とにかく簡単にカセットデッキのみしか付いていない車両で音楽を再生したい方ですとこれは良いと思います。昔カセットからCD等のデジタル機器に変わる過渡期に存在したカセットアダプターはコードが出ていましたがこちらは充電池式コードレスです。
フル充電で7時間程度再生できるようです。使ってみたところ音楽は問題なく再生できるのですが、ちょっと音質が悪いのと少し回転音がするのが気になります。でも何の手間も無く純正カセット式オーディオで再生できるのはありがたいものです。

他に何か良い方法はないものか調べてみると、純正オーディオのAUX端子を使いウォークマン等をつなぐ方法があるという事がわかりました。
純正オーディオの矢印の部分の機能を使うとのことです。

背面のコネクタ部分。赤枠がAUX端子です。

配線はこのように繋ぐようです。写真では見にくいので図にするとこのようになります。
AUX端子には、16本のピンがあり、そのうち使うのは5本だけです。
①:音声左チャンネル
②:音声アース
③:音声右チャンネル
⑥⑨:LINE入力認識。
⑥と⑨の間に1Kオームの抵抗とオン・オフスイッチを入れる。これだけで良いようです。

作業にかかります。不要なイヤホン(壊れたものがあったのでそれを使った)のコードを上の①②③端子に分けます。
一般的なジャックですと、先端が左チャンネル、真ん中が右チャンネル、根本がアースという3極構成のようです。
それを頭に入れ3極カプラーに配線します。
カプラーはつけた方がメンテナンス等の際便利だと思いますが、直接純正デッキに繋ぐという方法もシンプルで良いのではないかと思います。

スイッチはホームセンターに行ったら電気工作コーナーにあったので購入し、土台になるアルミ板をL字に曲げセット。

1Kオームの抵抗ですが、同じ1KΩでもW数やら+〇%などの数値等の違いでたくさん種類があり、良くわからなかったのですがとりあえず「1KΩ 1W」のものを使っています。
抵抗は一つしか使わないのに、基盤と抵抗が数種類入ったセット品が、抵抗単品で買うのとあまり変わらない価格だったので、ついついセットをチョイスしてしまいました。

カバーをつけて他から絶縁してスイッチ部分と1KΩ抵抗部分を接続します。
要するにAUX端子の⑥と⑨の間に1KΩの抵抗があればLINE入力と認識するようで、それをスイッチで切り替えるようにしてあげるとよいようです。ここからの配線をデッキ側の「⑥と⑨」に差し込めば良いのです。

デッキ側のAUX端子はこのような形です。
カプラーを使って差し込むように作るのであれば、写真の形のカプラーが必要です。
探してみたのですがこんな形の16極カプラーは見つからず結局ネットで他の方がやっていた方法を参考にさせてもらいました。

パソコンのパーツです。
「ピン配列変換ケーブル」というものを使いました。パソコンのマザーボードに使うパーツですがAUXの端子のピンにピッタリ入ります。
しかも思いのほかしっかりと差し込むことが可能ですから、①②③⑥⑨のピンに間違えないよう差し込めば大丈夫だと思います。
ピンに名札をつけ差し込み位置を間違えないようにしています。

今回作ったスイッチ配線を設置するためにはセンターカバーを外さなくてはなりません。
カバーを外すのは二度目でしたので手順は問題なかったのですが、ルーバーを力で引っ張り出すのだけは樹脂が割れやしないか緊張しました。(今回も割れなかった)無事に作業が進み、作製したスイッチはETCの横のスペースに固定することにしました。

そして電源を入れてみたら「LINE」の文字が・・・!これが表示されれば大丈夫!手持ちのWalkmanで無事に良い音で再生出来ました。
カセットアダプターの手軽さは魅力だけど、音が良く、簡単に持ち出せるウォークマンの利便さを考慮するとアダプターは今後出番がないと思われます。ちなみに今回の端子接続に使った材料費はというと、カセットアダプターの半分くらいでしょうか。不要なイヤホンと1KΩの抵抗を一本、他にスイッチ、アルミ板ですから数百円で製作可能です。(他、結線に「はんだこて」等の道具は必要ですが)
