車検対策 ②ミッションオイル交換

<2021年3月>

車検に向けての整備として、今回はミッションオイルの交換を行います。車体下に潜らなければいけないので、スロープを使ってまずは前輪を上げ、その後リヤをジャッキアップして高さを確保すると共に平行に合わせていきます。


 

ウマを掛け落ちないようにしてから下に潜ります。この車のミッションオイルを交換するのは初めてなので、まずはドレンやフィラープラグの位置から確認しておくことにします。


 

事前にある程度は調べておきましたが、実車で見るとまた違うところがあったりもしますので確かめておきます。
ドレンは真下に付いているので下から良く見え、デフと同じ24mmボルト。フィラープラグの位置はミッションの左側(助手席側)に付いていて、形は凸型の四角ボルト、14mmでしたので純正仕様のようです。フィラーの穴の位置がいつも弄っている日産車とは逆なのでちょっと戸惑います。

 

 

フィーラープラグ。
狭いし、ボルトの頭も小さいのでよく見ないとわかりません。

 

 

違う向きから見て、工具を入れる場所を探ります。

 

 

ドレンプラグは24mmのレンチで緩むと思うので問題は無いと思いますが、フィラープラグは固く緩みづらくなっている事が多いので、今回は四角ボルトを緩めるソケットを準備しました。

 

 

ドレン・フィラープラグ用の8角の14mm、凸型の四角ボルトを回す専用ソケットになります。(TONE製)。

結果を先に言いますと、今回はこちらを準備していたにもかかわらず、実際にやってみるとフィラープラグを緩めるのに少々てこずりました。

 

 

フィラープラグ用専用工具ですから、それをスピンナーハンドルに付けて回せば簡単!と思っていたのですが、この車ではそう簡単には進みません。他の部分にも言えるのでしょうが、パーツとパーツの間隔が狭く、工具が入らない事がその要因です。
ミッションと排気管が近すぎて、ソケット自体をうまくボルトに差し込む事が出来無い事と、前側に見える補強の為のバーが邪魔で工具を振ることが出来ないという二つの障害がありました。ソケットの高さがもう少し低ければもっと簡単に出来たと思いますが、なかなかピッタリのものはありませんね。


 

でも今回はここにしか使わない専用のソケットまで入手したのですから、これを使って緩めたくなります。いろいろ差し込み角度を変えながらやってみたところ、なんとかフィラーを外すことができました。
手順としては、スピンナーに付けたソケットを、フィラープラグに入る角度を探してまず入れます。写真のように排気管に当たり、ソケットが斜めになってしまい、うまく入っていかないと思いますが、微妙に角度を合わせていくと入るところが見つかるはずです。そこで回す事ができるところまで回し工具を一旦抜きます。左右に走る補強バーの手前と奥のスペースで、何度か抜き差しを繰り返してちょっとずつ緩めていきます。
横着をせず、補強バーを外せばもっと簡単でしょうけれども、今回苦労しつつも作業が出来たので、これで良しとします。

 


 

無事に緩められたフィラープラグ。
今回使った星形の専用ソケットですが、やはり無いよりは準備しておいた方が良いと思います。スパナ等で無理してやるとプラグの角を舐めてしまう恐れがありますし、プラグは固く締まっているので柄の短い通常の工具では緩めることが出来ません。
後から思ったのですが、今回は車体下に潜っての作業でしたから難しく感じたのかもしれません。工場でリフトアップしてやれば、これ等の作業は以外に簡単に済む事なのかもしれません。(これから記載するオイル注入も含めて)狭い車庫内での作業ですから、作業が少々面倒になるのは仕方ありません。

 

 

 

ドレンを外してオイルを排出。
デフオイルの時もそうでしたが、あまり良い色をしていないように見えます。他の方もオイルの匂いについてSNSで書いていますが、古いギヤオイル独特の変な匂いは困ったもので、車庫内にこもってしまいます。この匂いがする時点でオイルは汚れ、劣化しているというサインなのでしょうか?

 

 

 

ミッションオイル交換は過去に数えるほどしか行っていないので、この色がどの程度汚れているか良くわかりません。でも新品のオイルと比較するとかなり汚れているように見えます。

 

 

 

ドレンプラグのマグネット部のゴミ。
金属紛が結構ついています。

 

 

拭き取ったマグネット部。
因みにドレンプラグの締め付け時のトルクは4.0~6.0kgmです。

 

 

ミッションオイルもデフ同様サクションガンを使って入れて行きます。
デフはこれで問題なく入れる事ができましたが、この車のミッションオイルはこのタイプでは少々入れにくいようです。

 

 

この角度が問題で、ロードスターの場合フィラー部分の間隔が狭く、ガンが排気管に当たってしまうため、赤線の角度になった少し曲がったガンを使うか、もしくはこれにゴムホースをつけ、曲げて入れるようにしないとミッションのフィラー口に先が入りません。

 

 

という事で内径10ミリのシリコンチューブを買ってきました。長さもこれだけあれば十分ミッションに入っていくでしょう。

 

 

オイルを入れる段になって、あれこれ差し込む位置を変え試していたら、排気管とボディのすき間にサクションガンを入れるスペースがあることに気付きます。
写真のあたりからガンの先を入れていくのですが、このすき間から差し込むと、シリコンホースが無くても直接サクションガンでオイルを入れる事ができるのです。わざわざ買いに行ったシリコンホースですが、付けて作業するよりも、ダイレクトの方がガンの先端を細かくコントロールできるので、結局延長ホースは使わず作業しました。

 


逆側から見た排気管とボディのすき間です。
ボディと排気管の少ししかない狭いすき間から、写真のような角度でサクションガンのパイプを入れていくと、今持っているサクションガンでもオイルの注入が可能です。

 

 

今回入れたオイルは75W-90です。マニュアル指定の粘度のものを使っています。
マニュアルでの推奨オイルは、ロングライフギヤオイルSAE75W-90を使用するとなっています。

 

 

オイルを入れフィラーボルトを装着。
フィラープラグの締め付けトルクは2.5~4.0kgmとなっています。ミッションオイルの規定量は2リットル。でも実際に入れてみると2リットル缶一つではでは少し足りない感じでした。ガンで入れる時に少しこぼれたり、ガンの中に残ってしまう分があるのだと思います。たまたま余っていたギヤオイルが少し有ったので足して入れましたが、次回交換の際は余裕をみて2リットル+500cc程度で買わないといけないかもしれません。

 

 

ミッションオイルとデフオイルの交換が終わったので試運転。
ギヤの入りは前より少し良くなりました。オイルを交換した効果は間違いなくあったようです。
この後ボンネットを開け点検してみると、例のミッションオイルの変な匂いが漂ってきます。どこかに付着して残っているのでしょうか。もっと掃除を念入りにやらないといけなかったようです。

 

 

今回ミッションとデフのオイル交換をリセットできました。
次回はおそらく距離よりも時期で交換することになるでしょう。定期的に交換をしてオイルの汚れや匂いを確かめていこうと思っています。
今回のオドメーター数値30768Kmをメモしておきます。

 

 

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