<2021年6月>

車検のための整備をしている時に下廻りを見ていたらフロントメンバーにオイルが滲んでいるのを見つけてしまいました。
多分ステアリングラックからのものと思っていたのですが、それほどひどい「漏れ」では無かったので、車検を通したあとゆっくりとやろうと先送りにしていました。無事に車検もクリアしたので、滲みのあったステアリングラック廻りをリフレッシュすることにします。
まずはアンダーカバーを外して中の様子を観察します。

アンダーカバーとメンバーをボルトで止める部分。
やはりパワステオイルなのでしょうか?オイルが付いています。

同じように反対側にも付いています。

オイルがアンダーカバーに付いていた部分。

今度は車体側を見ていきます。
パワステの配管にオイルらしきものが垂れています。このオイルがどこから漏れているのかよくわかりません。

ステアリングラック固定部のゴム部分にもオイルが入りこんでいる感じです。

フロントメンバー下部を触るとグローブにオイルが付きます。車体下に垂れてくる程ではありませんが気になります。

パワステフルード配管部分。この部分ではなさそうです。

ステアリングラックには太い配管2本と細い配管2本が付きます。どうやら細い配管の取り付け部分から滲んで、下のラック本体に付着している感じです。このあたりがオイル漏れの原因のようです。
年数も経過していますし、一度ステアリングラックとパワステ関係機器を外してメンテナンスを考えます。

まずはパワステ関係の機器を外していきます。
パワステポンプはこのあたりにあります。パーツは再使用出来るように無理に作業せず、邪魔になるパーツは外して慎重に作業を進めます。

パワステポンプの位置を確認できるよう、まずはこのエアインテークパイプをはね上げます。片側の固定を解くだけで上げることが出来ます。

ポンプの上がかなり広くなりました。

ポンプに付属するステイやコードを外しておきます。

このコードは引っ張ると抜けます。

ベルトテンション調整用のボルト類を外していきます。

この辺りはゆっくりと作業していけば何ら問題なく外れます。

パワステ&エアコンベルトを外そうとポンプを動かそうと思ったのですが、この時点ではポンプががっちり固定されていてまだ緩みません。
以前タイミングベルトの作業の際(2019年のメモ)にもやっているプーリー奥のナットを緩めます。
プーリーをちょっと回して、プーリーのすき間から黄色矢印の奥にあるナットを緩めます。

ポンプが固定されているボルト。
タイミングベルトの作業では、パワステポンプを傾けてベルトのテンションを緩めるだけでしたのでナットだけで良かったのですが、今回はポンプを外します。赤矢印のボルトを緩めてポンプを外さないといけません。
ポンプのプーリーからナットを固定しておいて、更に赤矢印のボルトを回さないと外れません。写真の状態ではエアクリーナーBOXが邪魔になり、矢印部分に工具が入りません。手前にあるエアクリーナーBOXを外す必要があります。

エアクリーナーBOXの固定ボルトを外します。

共締めされているプレートを見ると結構錆が出ています。ついでなのでサビ落としもやっておきたいところです。
この車はディーラーで車検を通していて、記録簿を見るとスチーム洗浄を行ってエンジンルームを洗っていたと思われます。新車当時は良かったのでしょうが、洗浄時の水分が少し残り、そして年数が経過してくると鉄板等はこうして少しずつ錆びてしまうのでしょう。

エアクリーナーの固定ボルトを全て外しBOXを外そうとしたところ、今度はストラットタワーバーが邪魔してBOXが外れません。

仕方ないのでタワーバーも外しました。ポンプのナットを緩めるため、エアクリーナーBOXを外す必要があり、エアクリーナーBOXを外すためにはタワーバーを外す・・・。どんどん離れていきますが仕方ありません。ゆっくり作業を進めていきます。

タワーバーを外したところ、やっと目的のBOXをずらすことができました。

広いスペース。
とても作業がしやすくなりました。これでやっとポンプの固定部に工具を入れることが出来ます。

パワステポンプはエンジンブロックにポンプブラケットが付き、そのブラケットに矢印のボルトで固定されています。
このボルトは頭部分が17mmのボルト。これを緩めて外すのですが、実際にはここを回すだけでは緩みません。

反対側にも17mmのナットがあります。
以前タイミングベルトの交換した際は、このナットをプーリーのすき間から回して緩めました。今回はここを17mmのレンチで固定し、反対側のボルトを回してボルトを抜き去ります。

外れました。
このように長いボルトでポンプはブラケットに固定されています。

ポンプが楽に動くようになり、パワステベルトを外すことが出来ました。

機器の撤去作業に邪魔になりそうなコードも外しておきます。
これはポンプからのコードではない(エアコンコンプレッサー)のですが邪魔なので一時外しておきます。

コードの先には白いカプラーが付いているので(繋がる先は黒いカプラー)ここを外すだけです。

そのコードは途中で金属製のクリップ(バンド?)でボディに固定されています。またそのクリップはパワステオイルタンクの固定ボルトと共締めで固定されています。

オイルタンクの反対側はボルトのみで固定。

そのボルト2本を外すとオイルタンクはフリーになります。でも繋がっているホースを外さないと完全に取り出すことはできません。

ホースや配管を外していきます。

ステアリングラックのフレアナットには、このクローフットレンチ17mmを使い緩めました。

ステアリングラックのフレアナットを緩めます。パワステオイルが出てきます。

その後こちらを外しパイプの固定を解きます。

固定の金具。ビスで留まっています。

パワステポンプとリザーブタンクに繋がる配管がフリーになります。これでステアリングラックを固定している四本のボルトを緩める事が出来ます。

ラックの右側に付くボルト(車の正面から見て左になりますが)は前後とも簡単に緩められます。

緩めにくいのはこちら側です。この作業の前に配管をフリーにしているのでボルトにアクセスできますが、配管が固定されていると工具が入りません。
まずは配管をフリーにして、そして写真のように配管を下にずらさないと、かなり厳しいように感じました。

ステアリングシャフトのジョイント部のボルトも外します。
ここはボルトが溝に入り、それがロックになりシャフトが抜けないよう作られている(後に詳しく記述)ので、ボルトを抜いてしまいます。

ステアリングラックを車体から外すには、タイロッドエンドも外す必要があります。
ネットで見たらこの車の場合、プーラーを使うとシャフトが曲がることがある、と書かれていましたので慎重にプーラーを取り付けていきます。
ホイールを外して作業しないと、ここはうまくプーラーを付けられません。

慎重に締めつけていきます。
何度やっても外れる瞬間の「バン!」にはビビってしまいます。

ステアリングラックが外れました。

最終的には配管を外し、油を排出してから外したのでラックが油まみれになってしまい油漏れの原因もよくわかりません。

外す前にこの付近にはオイル汚れがあったのですが、こぼれたオイルがついてしまいよくわからなくなってしまいました。

こちら側は油が漏れている跡がないので原因ではないでしょう。

この付近も乾いています。

ステリングシャフトのジョイント内部。

「ボルトが溝に入りロックされる」のはこの部分です。
この溝にボルトが入り、シャフトが抜けなくなります。

こんな感じになってしまいましたが、ステアリングラック本体はオーバーホールを検討しなければなりません。
ネットで調べるとリビルド品をチョイスしてみるのも良いようです。NA8C 40万番台はパワステもそれまでのNAとちょっと構造が変更になったという事ですが、適合するリビルド品が出ているのか気になります。

オーバーホール出来ればと思い外したパワステポンプ。
思っていたよりずっと小さなポンプです。NA6とNA8では形がちがうのでしょうか。

ポンプの裏側。
オーバーホールする際はこのあたりから分解していくのでしょうか。

プーリーの方がポンプボディより大きいくらい。

オイルタンク。
