フロントショックの交換

<2019年・ショックアブソーバーからの油漏れ 続き>
本来、この車の純正装着品はビルシュタインなのですが、私の街乗りでドライブを楽しむ程度の使用状況を踏まえるとビルシュタインを装着する必要は無いかと思い、カヤバNEW SRスペシャルを選択してみたのです。
過去に他の車でこのカヤバショックを使った時も問題は感じられませんでしたし、国内メーカーでもあります。何と言ってもお財布に優しいというところが気に入っています。


 

 

NAロードスター用カヤバのショックアブソーバーは需要があるのでしょう。注文してから手元に届くまで少々時間が掛かりました。
価格はビルシュタインの半分以下(だと思う)で入手できます。
ショックが届くまで暇だったので、ネットで中古のビルシュタインショック(NA用やNB用)を購入し、それぞれの寸法を比較してみたり、ショックに付属した使えるパーツを剥ぎ取ったりして研究?していたのですが、NAに流用できるといわれるNB用は新しいだけにちょっと強化されている部分があるようで勉強になりました。
またカヤバの新品が届いてから中古品と比較してみたら新品のブッシュの美しさが際立ち、あの傷み具合を見てしまうとゴムパーツやショックは定期的に交換しておくものと改めて思いました。


 

この青で塗られたケースはどうでしょう。ロードスターの場合、下から覗くと見えるのでここに関しては黄色か黒が良いような気がしますが、地面に這わないと見えない部分ですから気にしないことにしましょう。


 


純正同様に切り込みの入ったロッド先端部分。マウント部分も切り込みがあるのでこの形でないと入りません。


 

 

今まで付いていたダストカバーは真ん中で切れていました。ゴム製品ですし、20年以上経過しているのですから寿命だと思います。
アッパーマウントもゴム製品ですからおそらく見た目以上に硬化していると思われます。良い機会ですので一緒に新品に交換してしまいます。




スプリングコンプレッサーを使い、カヤバショックにスプリングを組み付けてみました。コイルスプリングだけは今まで使っていた純正を再使用しています。ロードスターは車高調整を使う方が多いようにみえますが、私はオジサンなので純正ノーマル仕様で良いのです。


 

 

 

古いショックの取外しは基本的な方法で行いました。
切り離す場所は前回同様3か所です。注意しなければいけないのはアッパーアームのボールジョイントをセパレーター等で分離した時です。
ここを外すとディスクブレーキローター部分が手前に倒れてきます。するとブレーキホースの余裕(たわみ)が全く無くなりホースがきつくなってしまいます。できれば倒れてこないようにローター部分を前もってベルト等で固定しておきたいところです。


 

 

一人で作業をするにはこのような(絞り込める)ベルトを使って作業をすると楽だと思います。
私の作業環境ですと床にフックが付けられるのでベルトをうまく使えば下に引き下げる事が出来るのです。



 

ロアとアッパーアーム、ブレーキホースを保護(キャリパーが傾かないよう固定)するため、ベルトは合計で3本あると効率的に作業が進むと思います。
各アームをベルトで押し下げ固定しておけば、あとはショック本体を当ててはいけないフェンダーだけに注意して、うまく抜き去ればよいのです。



 

車体下側から見ています。キャリパー固定とロアアームが緑、オレンジでアッパーアームを下へ引っ張っています。こうして荷締めベルトでアームを引き下げるとスペースが生まれショックを一人でも楽に抜き去ることが可能でした。
前にも記載していますがキャリパーが傾かないよう固定しておくことは大切です。最悪ブレーキホースが伸び切って破損してしまう恐れがあるからです。




ブレーキホース。
キャリパー部分を傾かせないよう固定していればホースにはこの程度の余裕が生まれます。
固定しないとキャリパーが手前側に傾いてホースが引っ張られ、矢印の付近に負担が掛かります。


 


 

新しいショックを入れる際は、アッパーマウントにフェンダーを保護する(鳴き止め?)薄い透明シートを入れ忘れないように注意します。



 

ペラペラの樹脂シートです。




取り外した純正ビルシュタイン。ダストカバーは同じ位置で破れており、かなり疲れ切った感じです。





新しいショックを取り付けました。
フロント下側から覗かないと見えないと思いますが、こうしいて見てみるとやはり水色が目立ちます。


 

ショックを固定する(下側)ボルト。
ここはタイヤを付け地面に着地した状態で本締めすると良いという事のようです。(それまでは仮止めしておく)
そうしないとショックのブッシュ部分が常にねじれた状態に置かれることになりブッシュに良くないという事のようです。


 

 

そのボルトはこんなに長い。ここも交換しようと思ってボルトとナットを準備しておいたのに作業に夢中になり交換するのを忘れてしまいました。ここはあまりに錆びていたら交換した方が良いかもしれません。


 

 

今回の作業は前回一度行っているので、3時間弱で作業を終えることが出来ました。私としては手際よく行えたと思います。
最後に危うく付け忘れるところだったタワーバーを装着しました。前回行ったショックの点検の際に外し、その後外したままにしてたので存在を忘れかけていました。




試運転中・・
新しいショックアブソーバーは良い感じで街乗りでは全く問題は無いように思いました。



これでほぼオリジナルのエンジンルームとなりました。
VRリミテッドの標準装備の一つでもあるビルシュタインをやめてしまったのは少し残念でもありますが、国産メーカーの新品ショックも信頼性があって良いものです。

フロントショックの交換 終わり

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