タイミングベルトの交換③
前回からの続き。
ウォーターポンプの交換作業を続けます。
ポンプを交換するにはこの黒い金属カバーを外さなくてはなりません。
外したボルト。
同じ長さのボルト6本。
ウォーターポンプの上部に付くゴムのパッキンはかなり疲れているようです。
カムシャフトシールあたりからのオイル漏れの影響なのでしょうか。
ヘトヘトになっています。製造から22年以上経過していますから仕方ないのでしょう。
これは交換です。これは部品を買っていないのでどうしようかと思っていたのですが、新しいポンプにこれが付属していました。助かりました。
ウォーターポンプを外しました。これを新しいものと交換します。
こちらも見る限りあまり痛んではいないようでしたが、既に新品を準備していますので、予防措置として交換しておきます。
回転部分を回して異音がしたら交換なんていうけど、こういったものはいつ壊れるかわかりません。
年数も経過していますからタイミングベルト交換と同時にやっておくのが無難なのでしょう。
このテンショナー・ガイドベアリングも同じで、回してもおかしな感触は無いからと交換を先延ばしにするよりは、交換できる作業があったらついでに交換しておいた方がいいですよね。ベアリングは劣化でいつ壊れるかわかりません。
こちらは外したタイミングベルトです。
よく見ても傷んでるのやら大丈夫なのかはさっぱりわかりません。
切れてからでは遅いのでメーカー指定のタイミングで交換するしかありません。今回は規定の10年を過ぎているから交換です。
テンショナーのスプリングも交換しました。
スプリング部分はゴールド。
これは付いていたもの。
交換品はスプリング部分がシルバーに変わっていました。純正品。
新しいポンプ本体にガスケットが付属しますが、このガスケットだけは純正の金属製を使った方がよさそうです。
付属のガスケットはペラペラの紙で出来ていて、ネットのレポートではあまり用をなさないとの情報が多くありました。
純正の金属製のものを準備しました。
サーモスタットのハウジングを外してOリングを交換しておきます。
ここも念のための交換です。
このOリングです。
外すとカスが残っていたから、掃除してちょっと液体ガスケットを塗ってリングをつけておきました。
とりあえずこれで交換を予定していた部分は交換を終えたので新しいタイミングベルトをつけて組み戻していきます。
ベルトには油分を付けないよう注意して装着します。
組付け時の写真を撮り忘れてしまい、ここには分解時の写真が混ざっています。
ベルトを掛けていく時は下側からかけていくとやり易かったと思います。
初めてのタイミングベルト交換でしたので、今回は念のためベルトに印を付けて架け替えを行っています。
クランクの切り欠きを合わせてギヤに付けた印とベルトの印を合わせて上側を掛けていきます。外した時と同じ状態で同じ山にかかるよう取り付けます。
テンショナーはベルトが一番緩む位置に固定しておきます。
矢印方向にめいっぱい移動させた位置です。
実際にはこれでもかなり上側がきつく、タイミングベルトを掛けにくかったです。
プーリーの位置をベルトを外した状態に合わせます。その後コマがズレないよう注意しながら新しいベルトを掛けていきます。
ベルトの印と同じ位置にプーリーのコマが入らない時はカムシャフトの六角の所にレンチを付け、吸気・排気のカムシャフト毎に微調整し山を合わせると良いようです。
ベルトを装着したら位置が正しいかチェックします。
位置が合っていたらテンショナーの固定ボルトをフリーにしてスプリングの力だけでベルトを張ります。
そしてクランクシャフトを時計周りに2回転させた状態で再びEとIが同じ位置に戻っていればOK。
位置が違っているようならば山がずれている可能性があるのでやり直しです。
ベルトの張りはここを10Kの力で押してたわみが9ミリから11.5ミリであれば良いとの事。(思ったよりゆるく張られる感じ)
ベルトのたわみを確認しつつ、テンショナーをここで固定します。
テンショナー(ガイドも同じ)を固定する際の締め付けトルクは 37.24~51.94N・mとなっています。
トルクレンチを使って締めた際思ったのは、結構軽く締めるのだなという感じでした。
クランクを2回転させてもプーリーの位置が合っていたのでこのまま組み付けを続けます。(ベルトに付けた印とはこの時合いません。)
あくまでもプーリーとエンジンブロックの刻印の位置が合えばOKです。
回転させる際はギヤはニュートラル、プラグも外しておくと軽く回ります。
ヘッドカバーを付ける際はガスケットを新品に交換する必要があります。
ゴムが潰れて密着するので一度使ったガスケットだと変形してしまい密着しないのでしょう。
ガスケット:BP05-10-235C 税別2615円
これは外した時の写真ですが、角度のある部分には液体ガスケットでオイル漏れを予防する必要があるようです。
角に以前の液体ガスケットの跡が残っています。
これも外した時のヘッド側の写真です。
この様に少し盛り上げてガスケットを塗り、ヘッドカバーの厚みより広く塗っておく必要があるようです。
ヘッドカバーの角度の付いている部分に付けておくようです。
カムの角度センサー部分。
ここにも塗ってあります。
このように角度のある部分はすべて液体ガスケットで補っておかないと駄目なようです。
液体ガスケットを付ける個所は計6か所あります。
これを使ってみました。
サーモスタッドは印の空気抜きの穴を上にしてセット。今回は新品の純正タイプを使って組みました。
右側に見える小さなバルブは1800になってから付くようになった「サブバルブ」。
どういった役目を果たしているのでしょう。
ガスケットも一緒に購入。
写真側(薄っすらと見える緑の輪がある方)をサーモスタッドに向けるらしい。知らないことばかり。
割ってしまい購入した新品カバー。
最後にベルトを掛けテンション調整も行います。
この後クーラントを入れエンジンを掛けたらベルトのキュキュキュ音が。張りを合わせたつもりでしたがちょっと緩かったようです。
結構強めに張らないと鳴ります。
でもエンジンは無事に動き一安心。
この後、タイミングライトを使い点火時期の調整と、ベルトのテンション再調整を行いましてタイミングベルトの交換作業は終了を迎えました。
他の方の「タイミングベルトの交換レポート」等を見ると割と簡単に出来たというような事を書いているけど、私は初めてだった事もあり、かなりの時間を要してしまいました。
実際にやってみるとやはり本業の方に整備代を支払いやってもらう意味が分かります。道具も揃えないといけないし知識も必要です。
それでも(ちょっと苦労はするけれど)機械いじりが好きな人であればやってみても面白い作業ではないかと思います。



