タイミングベルトの交換②

タイミングベルト①からの続き
サーモスタッドカバーを外します。
サーモスタッドの固定部分は二か所ですが、この車は一か所がボルト、反対側はナットで固定されていました。
車両によっては受け側のスタッドボルトを抜いて、両方ボルトにしているケースもあるようです。


 

サーモスタッドはノーマル品が入っていました


 

次にタイミングベルトのカバーを外していきます。
ここは3分割の樹脂製のカバーになっています。


 

一段目は長いボルト4本で固定されています。


 

そしてこの部分はクランプと共締めです。


 

一段目のカバーをはずしました。


 

二段目カバーのボルトは一か所だけ。


 

三段目のカバーのボルト。
ウォーターポンプの横のボルトは長いもの


 

他の2個所は長さの同じボルト。


 

長さは同じ。


 

整理しておくと・・
一段目カバーは4本留めで長さは同じ。


 

二段目カバー
一段目に部分的に組み合わせて固定するようになっている。


 

三段目カバー
三か所で留める。一本だけ長い。
(このカバーは実際にはクランクプーリーを外してからでないと外しにくいかも)


 

タイミングベルトカバーが取れました。
この状態でクランクボルトを21のソケットを使い回し、カムシャフトの位置(ピストンの位置)を合わせて(下参照)、タイミングベルトの交換を行うのが基本スタイルという事でした。
基本位置に合わせることにします。


 

位置合わせ。
吸気プーリーには「E」、排気プーリーには「Ⅰ」の刻印があり、エンジンブロック側にもEとIの刻印があります。
この位置にプーリーが来るように何回かクランクを回転させ合わせます。
ここがバルブとピストンの干渉が無い位置とのこと。
クランクは向かって時計回りに回し、写真の位置になったら止めます。


 

今回クランクを回すのに使ったのは、かなり長いスピンナーハンドルです。
スピンナーハンドルを使いクランクボルトを回すためには、事前にスタビライザーのシャフトを外して少し下にずらしておく必要があります。
シャフトが微妙に邪魔をしてソケットが入りません。
スタビライザーは左右計4か所のボルトを外すだけで下側にずらすことが出来ます。


 

クランクボルトもスピンナーハンドルで緩ませることができました。
ギヤを5速に入れ、サイドブレーキを掛け思いっきり回したところグニャ!っという感じで緩んでくれました。この60センチくらいのハンドルでやっと緩むくらいですから短い工具では無理です。
本当にかなりきつく締まっています。


 

外れたボルト。


 

外れたクランクのプーリー。


 

クランク部分。ギヤロックの四角いキーも見えます。


 

カムシャフトのプーリー位置が合っていれば、ブロック側のマークとクランクギヤ歯車の切り欠きとが合うようです。
クランクボルトを外した際ちょっと回してしまったしまったので、写真では少しずれていますが、この作業手順で良いようでした。


 

四角いキーは簡単に抜けます。


 

ギヤ。これも手で取れました。


 

単純にタイミングベルトだけを交換するのであれば、タイミングベルトを外す前にカムプーリーとベルト、クランクギヤとベルトの一部分に「マークをして交換する方法」が良いようです。他にもCSの車番組(カーSOS)で「ベルトを半分に切ってずらして交換」する方法も紹介されていました。
「マークして交換する方法」の場合は印を付けてからベルトを外し、新旧ベルトを並べてマークを転写し、同じコマに組み込む方法で、「ベルトを半分に切ってずらして交換」はマークしたベルトを縦に半分に切り、片側はそのまま残し、片側を外しマークを新しいベルトに転写し、位置通りに付ける方法です。
今回は、ベルト以外に交換するパーツがあったので、これらの方法は使えませんでした。


 

今回は折角の機会なので、ベルト以外にも経年劣化しやすい部分を確認しながら対処しておく事にしました。
写真はカムのオイルシール部分。よく見ると下側に少しだけ漏れた跡がありました。
このシールも劣化でオイル漏れを起こしやすいところのようです。


 

その反対側(排気)も少しオイル漏れの跡。やはり同じように漏れがあります。交換が必要な時期のようです。
交換パーツは2つ入手してあるのでイン側、アウト側共に交換です。


 

このようなオイルシールを抜く工具があるようで使ってみました。うまく取り去ることができました。さすが専用工具です。
抜けたオイルシールをよく見ると、内側にスプリング状のリングが入る構造のようです。


 

テンショナーベアリング新品(左)と外したもの(右)
純正品じゃないけど名の通ったメーカーの互換品だから大丈夫かと信じて交換しました。
外したものも全く傷みなしに見えたのですが、経年劣化でいつ壊れるかわかりませんから。


 

純正と微妙に形が違うところがありましたがきちんと付きました。


 

クランクシャフトオイルシール。フロント側


 

これも交換しておきます。
ここもあまり漏れは見当たらなかったけど、予防的措置で交換です。


 

タイミング角度センサーのOーリング交換に取り掛かります。


 

ボルトを外します。


 

結構長いボルトが使われています。


 

カバー。裏側にちょっと傷みがあるような気もするのですがここは再使用しました。


 

カバーを取り去るとOリングが見えます。
こがオイル漏れの原因となるポイントのようです。
リングがやせたり切れたりするとオイル漏れが起きるようです。


 

裏側にある固定のボルトも抜きます。
ここを外さないとセンサー本体が取れません。


 

センサー本体を取り出して細いピックアップツールでリングを外します。


 

Oリングを外しました。
でも思ったよりしっかりしている・・・
固くなって割れる等という報告が多く見られたのですが、まだ大丈夫な状態でした。
悪くなる前のよいタイミングで交換できたと思うようにします。


 

こういったゴムパーツは熱のかかり具合(エンジンの稼働時間)によって劣化の進み具合が違うのでしょう。



長くなったので一旦終了。タイミングベルト③に続きます

2019年メンテナンスメモ メニューへ